このページの目次
未払賃金立替払制度って何?
もらうための要件や流れについてご紹介!
「破産を申し立てようとしてるけど、従業員の未払賃金はどうしよう」
「会社が倒産してしまって、賃金が支払えなくて困ってる」
会社が倒産してしまって賃金が支払えなくなったら、会社も従業員も困ってしまうと思いますが、全国の労働基準監督署と独立行政法人労働者健康安全機構で実施されている、未払賃金立替払制度というものがあります。
そこで、このページでは、未払賃金立替払制度について、立替払いをしてもらう要件や流れを一緒に見ていきたいと思います。
1.未払賃金立替払制度とは
未払賃金立替払制度とは、倒産によって解雇されてしまった労働者において、支払われていない賃金を立替払いしてもらえる制度です。
2.賃金を立替払いしてもらうための要件
(1)使用者(雇い主)
1年以上事業活動をおこなっていて、その後、倒産した事業者であることが必要です。
倒産には法律上の倒産と事実上の倒産があり、法律上の倒産は、
- 破産
- 特別清算
- 民事再生
- 会社更生
の4つで、事実上の倒産は、
- 事業活動を停止している
- 事業活動の再開の見込みがない
- 賃金支払能力がない
といった場合のことをいいます。
事実上の倒産と認められるためには、労働基準監督署の認定が必要です。
(2)使用人(労働者)
法律上の倒産についての裁判所への申立てや、事実上の倒産についての労働基準監督署への認定申請がおこなわれた日の、6か月前の日から2年以内に退職したことが必要です。
つまり、破産などの申立てがあった日または労基署への認定申請をした日を基準として、過去6か月、未来1年半という期間(あわせて2年間)に退職した人が立替払いを受けることができます。
3.立替払いを受ける流れ
(1)未払賃金の証拠の収集
立替払請求を申請するのに、どれくらいの未払賃金があるかを証明しなければなりません。
そのため、給与明細やタイムカードなどの勤怠記録、雇用契約書や労働条件通知書など、未払いの賃金がいくらかわかる証拠を集めましょう。

(2)証明書または確認通知書の交付
法律上の倒産の場合、裁判所などで証明書を、事実上の倒産の場合、労働基準監督署で確認通知書を交付してもらいます。
この証明書や確認通知書は、立替払請求書と1つの書類になっています。

(3)立替払請求書を提出
立替払請求書の必要事項を記入し、独立行政法人労働者健康安全機構に提出します。

(4)審査
未払賃金の有無やその金額について、審査されます。

(5)入金
審査が無事に通れば、支払われていなかった賃金が指定の銀行口座に入金されます。
4.注意点
未払賃金立替払制度を利用しても、賃金の8割しか立て替えてもらえず、残りの2割は払ってもらえなかったり、上限があってそれ以上の金額は受け取れなかったりして、全額を立替払いしてくれるわけではありません。
ただし、会社に対する請求権が消えるわけではなく、破産手続の中で受け取れることもあります。
未払賃金立替払制度で気になることがあるのなら、できるだけ早く弁護士に相談してみましょう。
5.まとめ
- 未払賃金立替払制度とは、倒産によって払われていない賃金を立て替えてくれる制度。
- 誰でも立替払いを受けられるわけではなく、雇い主や労働者に要件がある。
- 未払賃金立替払制度で気になることがあるなら、早めに弁護士に相談するのがオススメ。
「これ以上従業員に迷惑をかけられない」
「賃金を支払えなさそうで困っていたから、是非従業員には利用してもらいたい」
そう思ったあなたは、一度、当事務所にご相談にいらっしゃいませんか?
当事務所は、法人の破産を専門的に取り扱っており、実績も数多くあります。また、お金に関わるデリケートな問題であるため、あなたの周りに知られないよう最大限配慮いたします。
未払賃金立替払制度の詳細を聞いてみたい!というあなたは、お気軽にお電話ください。
当事務所所属の弁護士がしっかりあなたに寄り添い、法人破産の問題解決のお手伝いをさせていただきます。